通常の外壁塗装であれば、色がついた塗料を塗る工事になりますが、外壁面に特徴的な模様があると、その模様を活かした塗装をしたい場合があります。お店のデザイン性にこだわりたいのであれば、クリアー塗装と呼ばれる、色をつけない外壁塗装があります。
知っておきたいクリアー塗装の基礎知識と特徴
クリアー塗装ってどんなもの?基礎知識と特徴を詳しく知りたい!
クリアー塗装とは、その名の通り透明な塗装です。新築の際に一生懸命選んだデザインの外壁を単色で塗りつぶしてしまうのは惜しいといった理由から、クリアー塗装を選ばれる方も多いようです。では、クリアー塗装とはどんなものなのでしょうか。
クリアー塗装ってどんなもの?
クリアー塗装とは、その名の通り透明な塗料のこと。木工製品の上に塗るニスのようなイメージを想像していただくとよいでしょう。新しい色を塗ってきれいにするのではなく、現在の外壁の雰囲気や色味を崩さず守るために使う塗料です。クリアー塗装をすることで現在の外壁に光沢が出て色が濃くなるために、美しい外壁の印象を保つことができます。
クリアー塗装が使われるケース
以前はモルタルのような塗り壁が主流でしたが、近年はサイディングというデザイン性の高い外壁材を貼り付ける形の店が増えています。サイディング外壁をメンテナンスする際に塗りつぶし塗装をしてしまうと、色が単一になるので今までとはまったく異なる印象になってしまいます。クリアー塗装なら、サイディングのデザインを活かしたままメンテナンスすることが可能です。
クリアー塗装の耐用年数
クリアー塗装は、既存のサイディングの風味をそのまま活かすことを目的とした塗料です。そのため、既存の塗膜の色あせ、劣化が進んでしまう前に塗り替えることが重要です。
種類にもよりますが、一般的には10年が耐用年数と言われています。しかし、外壁の劣化が進むとクリアー塗料では対応が難しくなってしまうことを考えると、7~8年程度で塗り替えをしたほうが良いとも言われています。
クリアー塗装が向かないのはどんなケース?
透明なのでどんな外壁にでも使えるのではないかと思われがちなクリアー塗料ですが、実は利用に向かないケースという場合も存在しています。それはどのような状態なのでしょうか。
フッ素加工や撥水処理が施されたサイディングボードの場合
そもそも、クリアー塗装ができない外壁素材があります。光触媒、無機、フッ素といったコーティングがされたサイディングボードです。これらは特殊なコーティングがされているために、上からクリアー塗料を塗っても剥がれてしまう可能性があります。
チョーキング現象が進んでしまっている場合
壁を触った時に手に白い粉がついてしまったことはありませんか? それがチョーキング現象です。チョーキング現象が起きている際にクリアー塗装をしてしまうと、塗装後の印象が白っぽくぼやけてしまうことがあります。そのため、現象が進んでしまっている場合にはおすすめできません。
風化やひび割れなど、外壁の劣化が進んでしまっている場合
色をつけるタイプの塗装の場合、ひび割れした部分を補修した後に塗装を行うことで見えなくすることが可能です。しかし、クリアー塗装の場合は、補修した部分がそのまま見えてしまうために、見栄えが非常に悪くなってしまいます。
コーキングが施されている場合
コーキングとは、サイディング外壁のボードとボードの間につなぎで入れられているゴムのような部分です。実は、このコーキング部分には塗料は塗れません。そのため、コーキング部分は養生などをしてから塗装をする必要があります。
コーキング剤はホームセンターなどで手軽に売っていることもあり、外壁のひび割れを埋めるために利用してしまっている方もまれにいるようです。しかし、当然その部分は塗装ができなくなってしまうのでご注意ください。
クリアー塗装の相場を知りたい!
クリアー塗装は下塗りをせずに、そのまま塗る塗料です。そのため塗りつぶし塗装に比べると作業工程がひとつ少なくなり、塗料代や人件費を抑えることができます。クリアー塗料の値段は種類によって価格が異なるので、1平方メートル辺りの相場は下記を目安にしてみてください。
塗料 | 相場 |
---|---|
アクリル塗料 | 1,000円~2,000円 |
ウレタン塗料 | 1,500円~2,500円 |
シリコン塗料 | 2,000円~3,500円 |
フッ素塗料 | 3,000円~5,000円 |
無機塗料 | 3,500円~5,000円 |
クリアー塗装について基本的な知識と特徴をご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。気に入った店の外壁をそのまま維持したいという希望を叶えることができる良い塗料な反面、劣化が激しい場合には使えないといったデメリットもあります。クリアー塗料を使いたいと考えている場合は、早めの処理が大切ですね。